住職挨拶

徳源寺の歴史は古く先般「開山六百五十年」の遠忌法要を執り行わせていただきました。 鎌倉時代から令和の時代まで様々な人の御盡力と御縁によって守られてきたお寺で御座います。源頼朝公はじめ北条氏・武田氏・今川氏・徳川氏と様々な時の権力者とのつながりがあり護国寺として原宿から国を守っていた御縁も御座います。 また山号を「安泰山」といい中国山東省にある山「泰山」の微動だにしない姿から国や皆様方が安定して安心できるようにと思いを込められ、徳源寺も二十四代という長い世代が続いております。歴代の祖師和尚様方の功績ははかりしれないものがあり、古くは白隠禅師をはじめ山岡鉄舟殿・伊豆の鏝細工の名工 入江長八・白隠の再来といわれた龍澤寺 般若窟山本玄峰老師など名だたる方との御縁を結ばせていただき徳源寺の宝物に記されております。 不肖 未熟者ながら二十五世の住職として徳源寺の歴史を汚さしていただいておりますが、先師 二十四世丹道宗昭和尚 の意志を継がせていただき温故知新で守るべき処は守っていき、新しい時代の変革により変わらなければいけない部分は柔軟に考えていきたいと考えている所存で御座います。 禅語である「行雲流水」のように形や物事にとらわれない心や「御陰様」という皆様方とお互いに支え合いながらこの徳源寺を守っていければ幸甚に存じます。甚だ御目汚しを致しましたが住職挨拶とさせて戴きたいと思います。

徳源寺二十五世 江本泰山 合掌